飲酒死亡事故を起こしても

鹿児島県徳之島にある天城町で、１０年前に飲酒運転で死亡事故を起こし「懲戒免職」となった職員を任用規則の「町長が必要と認める場合」を理由にして採用したと言うことが報道された。

この職員、懲戒免職したあと３年して臨時職員として復職している。
これ自体に問題を感じるのだ。臨時職員とはいえ職員は職員だ。
どのような任用なのかわからないが、正職員並みな待遇だった可能性すらある。
で、今回の任用に付いて町長は「事故を起こしたのは１０年前で、本人も反省している。私が勤務態度を見て採用を判断した」と言っているのだが、１０年前だからというのは全くもって論外な話だ。

この「町長が・・・」という任用規則だが、どこの自治体でも必ずと言っていい程に条例化されている。
ただ、これは本当に特別な理由でなければならないはずだ。
例えば、首長のための任期付特別秘書だとか栄誉ある功績を認めるなどのために用意されている伝家の宝刀であって、一般的な才能しか持たない者を勝手に入れるために使って良いモノでは無い。
まして、懲戒処分を受けた者の復権のためのものである訳がない。

この飲酒運転に厳しくなっている現代日本において、それが理由で免職となっている者を任用するとは言語道断だ。
なおかつ、この職員が町長の実弟であるというのだから恐れ入ったりとも言える。
で、この職員は５１歳というじきに勧奨退職の対象者になるような年齢だ。

これをして正当な任用であると言うのであれば行政機関の質を疑う。
そして、明日２６日にはこの町長は退任する。
大変なお荷物を残して。

ちなみに天城町の人口はわずか７，２００人ほど。
余人を持って替え難いのかな。

コメント 6

地方の町村では組合が弱い半面、町長の裁量が強すぎる弊害が目立ちますね。
by 山中鹿次 (2006-12-25 07:20) 

山中鹿次さん、コメントありがとう。
組合に期待するようなことはどこの自治体でもできないでしょうが、住民すらもこの暴挙に賛同してしまっているようなのが怖い思いがします。
by 南雲しのぶ (2006-12-25 07:31) 

人がいないって言ってもねぇ・・・
上にいる人って　権力を衣にしちゃって　被害者の気持ちわからないのかも知れません。
by mako (2006-12-25 08:23) 

makoさん、コメントありがとう。
人口が少ないからと言って「余人に代え難い」などということは無いと思うんですよね。
どうせ、任用してしまったのであれば「飲酒運転根絶担当」「死亡事故を起こしても公務員になれる再チャレンジ担当」となって頑張ってもらいたいと願うものです。
by 南雲しのぶ (2006-12-25 08:56) 

どこぞの芸人だと身内に「あま～い」なんでしょうけど、しゃれになりませんね。
「余人に代え難い」と聞いて。。。
都知事も同じように身内にあまい。
公職についたのであれば、誤解を招きやすい身内の雇用は控えるんだとおもうけどな。
by 宙太郎 (2006-12-26 15:16) 

宙太郎さん、コメントありがとう。
選挙で選ばれる政治家たちがもう少し高い理念・倫理観を持っていてくれない困ってしまうんですよね。
公務員が悪い悪いと言いますが、政治家の方も「特別職国家公務員」なんですけどね。
やっぱり、この任用は問題ですよね。
by 南雲しのぶ (2006-12-26 21:06)