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弁護士の懲戒って [山口県光市母子殺害事件考]

「光母子殺害、元少年の7弁護士懲戒せず 広島弁護士会」(iza!)

橋下徹大阪府知事の発言が切っ掛けで大騒動になった「山口県光市母子殺害事件」(以下「光事件」)被告弁護団への懲戒処分請求の結果が出始めている。

光事件ではいろいろなことが起きて、法律の世界と日常生活とのかけ離れていることが分った。

公判日程が決まっていても弁護士が出廷せずに延期になることが法廷戦術として意外や罷り通っている事。
死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪の場合では、必ず弁護士がつかねばならないこと。
被告の主張が一審と上級審で全く異なっていても問題ないこと。

もちろん、被告にキチンと弁護士がつかねばならないというのは大切なことだ。
法律的な無知によってあらぬ嫌疑をかけられ、思いも知らぬ刑罰を科せられる事から身を守ってくれる権利でもある。
だが、それは公判を速やかに進めることを前提にしていることであって、公判に欠席するということが法廷戦術とされてしまうようでは本末転倒ではないだろうか。

さて、今回の懲戒処分請求についてへ話しを戻そう。
懲戒処分請求の是非については別の機会に取り上げるとして、これまで結果の出た全ての弁護士会で「問題なし(懲戒しない)」という結果になっている。

確かに法律的、弁護士会的にはそうなのだろう。
それは良いのだが、この請求の中には「公判期日が決まっていたのに日本弁護士連合会(以下「日弁連」)主催のイベントのリハーサル出席」も理由の一つとなっているのだ。
もちろん、この事ばかりが理由ではないことも分っている。
弁護士会でも「それを理由にしたのは適当でない」とは言っているが、日弁連と弁護士会と言えば親と子のようなもので利害関係にある。

そのような関係の中で正しい判断ができるのだろうか?
弁護士会を指導・監督する立場にあるのが日弁連なのですから。
仮に正しい判断をしたとしても「利害関係にあるもの同士の馴れ合い」と受け取られかねない。
せめて、その部分だけは別に第三者委員会を設けて判断してもらうことも大切なのではないだろうか。
後顧の憂いを払うためにも。

まもなく光事件に判決が出る。
出される判決がいかなるものであろうと、それが裁判で決まったことだ。
いずれにしても、最高裁へ行くであろうし、確定後も再審請求等あらゆる手段がこれからも出てくる事だろう。
まだまだ終わり無き争いは続く。
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コメント 4

HIDEKI

どうしてあんな弁護をしたと思いますか?

by HIDEKI (2008-04-29 05:14) 

南雲しのぶ

HIDEKIさん、コメントありがとう。
被告の主張からだと思いますが、HIDEKIさんは何故だと思いますか?

それからブログをお持ちの方はメアドではなくURLでどうぞ。
by 南雲しのぶ (2008-04-29 06:17) 

kenji47

>この請求の中には「公判期日が決まっていたのに日本弁護士連合会(以下「日弁連」)主催のイベントのリハーサル出席」も理由の一つとなっているのだ。


これって安田弁護士の件ですよね?
広島弁護士会所属の弁護士とは関係ないんじゃないですか?
確認願います。
by kenji47 (2008-04-30 00:21) 

南雲しのぶ

kenji47さん、コメントありがとう。
参照例示しているのは広島のケースですが、広島に特定せず全国的に行なわれている請求全体について述べています。

ご指摘は「“今回の懲戒処分請求についてへ話しを戻そう”と書いているのになぜ安田弁護士の案件をあげているのか」ということだと思います。
確かに、表現の仕方が悪いことは公開したあとに気づいたのですが、「戻す」というのは「審査結果全般に戻す」と言うことです。
この辺は他の方からもご指摘いただいていて訂正すべきかどうか悩んでいるところです。
by 南雲しのぶ (2008-04-30 05:58) 

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