遺族の気持ちを考えよう

富山県射水市の病院で起きた延命措置中止問題。
病院長が市議会に経過報告を行ったのだが、事実事項と騒動の謝罪に過ぎず大きな進展は無かった。

この問題は「人の死」について考えさせられるものだ。
末期で回復が見込めない者に対してどこまでケアしていくのか。生きる事死ぬ事、尊厳を持った生き方を求めることの難しさを禁じ得ない。

それは良いのだが、先ほどこの問題に関係する「同意していない」と言っていた遺族が「同意をしていた」とのこれまでのコメントを覆す内容のコメントを出したのだ。

他に疑われている６例でも多分「同意」をし、外科医側も公にならないようにしていたのだろう。
だいたい、今の日本で同意していたことが知れたら近隣から「親殺し」の口汚い罵りが起きていただろう。
いや、こうやって知れてしまったことで「あそこの家族は親の死を望んでいた」と必ず言われる。
噂話ほど恐ろしいものはないのだ。
それにこれまで付き合いの無かったような親戚からも同様のプレッシャーがあるだろう。
情けない限りだ。

この事件では多くの人が被害者になってしまった。
張本人の外科医、病院、そして遺族だ。
報道に対してはもう少し自重はできないものなのだろうか。
遺族の同意が推定される時には遺族への取材は行うべきではなかったのではないか。

誰の人権を守るべきか。報道はもう少し考えるべきだ。

コメント 6

こういうテーマをあまり深く突っ込みすぎるマスコミに苦言を呈します。遺族の周囲で「親殺し」の声は上がらなかったのではないかと、私は個人的に推察しています。本人の意志などは取れない状況だったに違いありません。
他人事ではありません。日本尊厳死協会というには、公にみとめられた組織なのですか？であれば、私も早急に登録するつもりです。時事関係に詳しいしのぶさん、教えてください。
by okko (2006-03-29 17:07) 

okkoさん、コメントありがとう。
okkoさんもそう思いますよね。絶対に言われてますよ。これまで面倒を見てこなかったような親戚まで現れて言いたい放題ってことだってあるでしょう。
こういうことは事実は事実として把握しなければならないけれど、確認するのは警察の仕事で報道する事では無かったと思います。いたたまれない思いでいっぱいです。
尊厳死協会のことちょっと調べてみましたが公的な団体ではないみたいですが積極的な活動はしているようです。会員は１１万人ほど居るみたいです。
http://www.songenshi-kyokai.com/index.htm
by 南雲しのぶ (2006-03-29 20:56) 

この問題。。大きく取り上げられていますね。。
真実はこれから何でしょうか。。どうも関係者皆さんの歯切れが。。
by (2006-03-29 22:31) 

水郷さん、コメントありがとう。
そうですね。深く突っ込めば突っ込む程、被害を増やすだけなような気がしてなりませんね。
真実を全て知る必要ってあるんでしょうか？と思えてなりません。
これで人権侵害が起きないことを願うばかりです。
by 南雲しのぶ (2006-03-29 22:43) 

安楽死を認めないという団体もありますね。
本当に人を介護したことがないのでしょう。
病院にはほとんど非難の電話はなかったようです。
結構、安楽死は認知されてきているようですね
by あまちゃん (2006-03-31 00:18) 

あまちゃん、コメントありがとう。
「安楽死」というと本人のためというイメージもありますが、自分で依頼すれば自殺ですし、親族なら他殺です。
自殺を宗教的に認めない国もあるくらいですから、まだまだ不安定要素もある問題ですよね。
一刻も早い国としての方向性を示して欲しいものです。
by 南雲しのぶ (2006-03-31 06:44)