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どこに視点を向けるのか [政治・行政・地方自治]

消えた年金問題で社会保険庁がたたかれている。
予算の執行方法についていろいろな問題点があったことは確かなのだろう。
同時に、年金データ移行や職員の利用者対応に問題があったことも逃げようのない事実であることも判明している。

しかし、27日付の朝日新聞で「こんな労使協定があった」という記事には納得ができない。
もちろん、闇協定は許されるものではない。
だが、その内容と言われているのが
「キーボード一日5000タッチ、最大1万タッチ以内」
「電算の作業を45分やったら15分は作業を外れる」
「照明を作業場では800ルクス、それ以外でも300ルクスは確保する」
などなど、確かに今考えると「ふざけている」と思う。

ただ、この協定ができたのは70年代の電算システムが導入され始めたころだということを考えて行きたい。
このころ、電算というのは一般化されておらず、現在のように一人一台などという台数で配置されていたものではなかった。
ましてホスト型と呼ばれ扱いも難しいもので、下手するとパンチ式みたいなのだったような気もしないでもない。
当時を知っている人であればお分かりと思うが、これらの要求は当時としては当然のことだったような気がするのだ。
私の勤め先でも、電磁波シールドやゴーグル、エプロンなど用意して着用を勧めていた。
協定などなくとも電算作業1時間使ったら、他の作業をさせていなかったろうか。
当時は、電算に対する知識も薄く、「電磁波だ」の「目が悪くなるだ」の「台数が無い」などと言って、ほとんど電算作業をさせてもらえなかったのを覚えている。
私が入ったのは80年代後半だから中小企業ではそのころでもその程度だったはずだ。

もちろん、それが2000年代に入っても維持されていたというのは問題で責められるべきだろう。
時代や環境に即して変更をしていかなければならないはずのものを一度決めたのだからと動かさなかった労使双方に問題があると言える。
それは単に労組が問題というよりも社会保険庁全体の意識レベルの問題だと考えるべきだろう。
労組嫌いな私が労組の肩を持つのは嫌なのだが、論点を誤ることは避けたいと思う。


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コメント 6

山中鹿次

思うにコンピューターの普及と、いろんな規約の改正が追いつかないことが多いですね。いろんな学会の原稿提出規定が、ワープロのフロッピーの送付を作ったのが定着したら、CDROM送ったり、メール送信したり。
社会保険業務こそ、地方と国の機能備えた道州制で再検討すべきでしょうね。
by 山中鹿次 (2007-07-13 07:19) 

こう

もう、電算という言葉は死語ですよ。
競争が全くない世界は腐っていくだけですね。
by こう (2007-07-13 13:12) 

南雲しのぶ

山中鹿次さん、コメントありがとう。
確かに機械の進化のスピードに人間がついていけてないのでしょうね。
だから人間性の欠落になってしまうのでしょう。
機械化された社会なんて本当に幸せなんでしょうか。
by 南雲しのぶ (2007-07-13 20:24) 

南雲しのぶ

こうちゃん、コメントありがとう。
ははは、分かってますよ(笑)。
社会保険庁で使われているシステムが30年前のだって言うんで使ってみました。
高額での随意契約は理由が立たないですよ。
こういうことを続けていたのでは社会保険庁と言わずダメでしょうね。
by 南雲しのぶ (2007-07-13 20:26) 

こう

いえいえ、南雲さんのボキャブラリーにケチをつけた訳ではありませんよ。
未だ、お役人の文章で「電算」が出てくるので、いつも笑っています。若い人はピンとこないので、聞かれると説明しています。
私は個人的には好きですけど。「電算室」とか。
by こう (2007-07-15 10:12) 

南雲しのぶ

こうちゃん、コメントありがとう。
いえいえ、分かってますよ。
お役所言葉には私も笑わせてもらってます。
ただ、ああいう言葉が最終的には誰にでもわかる言葉でもあるんですよね。
もちろん、最近の横文字使いは違うでしょうが。
誰にでも分かる言葉というのは難しいものです。
by 南雲しのぶ (2007-07-15 17:52) 

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