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厳罰化は効果が無いのか? [飲酒運転撲滅]

「「厳罰化で減るのは『冷静な犯罪』だけ」ひき逃げがなくならない理由 Q&A」事件です‐事故ニュース:イザ!

よく刑罰を厳しく(厳罰化)しても効果は無いと言われる。
効果というのが何かによって判断は異なるが、犯罪件数が減るという効果を求めているのであれば効果は期待できないだろう。


厳罰化するというのは、現状があまりにも酷いことを理由に求められる。
危険運転致死傷罪などその最たるものだろう。
飲酒をして酩酊した状況で運転して人を死なせても「業務上過失致死」としか裁けなかった。
そのために数々の凄惨な事件(事故)でも数年の服役で社会復帰してしまうという被害者感情を全く無視したものであったことから厳罰化を求める声が上がった。

それでもカバーできないものを「自動車運転過失致死」という特定の過失に対して別個の罪状まで作るに至っている。

今回、「厳罰化でも飲酒ひき逃げがなぜ減らないのか」と言うことであるが、これは簡単だ。
危険運転致死傷罪が改善はされてきてはいるものの「逃げ得」と言う矛盾を未だに抱えているからだ。

そこで先日の「巻き込んだまま走り続けた」という事件では「殺人罪」の適用を検討しているが実際にどこまで殺人を立証できることか。
まして殺人罪だからと言って最高刑になるとは限らない。
だったら「逃げてみよう」と考える輩も居ないでもなく、今回のような事例が出て来ることになる。

まずは「危険運転致死傷罪」のハードルをもう少し低くすること。
そしてのほ刑罰の上限を最高刑まで設定すること。
この二つから始まるのではないだろうか。

と、ここまでは厳罰化というものの矛盾について考えてみたが、減らない理由を別の面から考えてみる。
厳罰化したことによって「上昇率が低くなった」と考えられないだろうか。
例えば、厳罰化前が年100件あった事件が厳罰化しても100件だったとしよう。
「これでは厳罰化しても意味は無い」と思われるが、厳罰化していなかったら120件になっていたかも知れないわけだ。
こう見れば20件起こる可能性を低減できたことになる。
もちろん、起こるか起こらないかなど分らないわけだから「単なる思い」でしかない。
ただ、これまで同様の事件事故が右肩上がりで伸びて来ている中でその上昇率を抑制できたのであれば、厳罰化は一定の成果はあったのではないだろうか。

最初から「減らす」などと考えるのではなく、一件でも悲惨な事故を少なくすると言うためのものであると考えれば良い。
もともと、如何に厳罰化したところで犯罪は絶対無くならないわけだから。
全ての刑罰を「死刑」にしとしたところで絶対に無くならない。
そんなものなのだ。
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テレマーカー

>全ての刑罰を「死刑」にしとしたところで絶対に無くならない。
全く、そう思います。
起こす人は起こしますよ。どのような犯罪でもね。捕まったら不運だと思う様な思考の人はいくらでも居ますから。
むしろ、そこまでの人ではない人が思い留まる。そっちの方の効果の方が大きいでしょうね。
実際、飲酒運転をしない意識は高くなっていると思います。全くもって褒められる理由ではなく、「厳しくなった」と言う理由でね。(恥ずかしながら、私の身近でもね。)
自らを律する事が出来る人だけであれば、法規や法律なんて要らないのですが、それは稀です。
罪と罰とを天秤に掛ける人も居るでしょうから、割に合わなく(罰則を重く)すれば、普通の感覚でもやらなくなると思うのですがね。
無論、無用な厳罰化は避けるべきで、何処をどう運用するかの熟考は必要でしょうけど。
by テレマーカー (2008-11-22 02:47) 

南雲しのぶ

テレマーカーさん、コメントありがとう。
今どき、飲酒運転をする人って極々一部なんだと思うのです。
これは喫煙者のマナーと同じで、その一部のせいで周りの人がとても迷惑がかかる。
故人の自由だなどと言われずに、周りの人が注意し止められるような環境作りというのが大切なのではないでしょうか。
厳罰化というのは市民のモラルの低下が招いていることなのですから。
by 南雲しのぶ (2008-11-22 07:20) 

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