無理心中は究極の虐待です

「親族から借金１００万円超　大阪の一家心中」(iza!)

先日、大阪市東淀川区で、「妻と相談して死ぬことにしました」「子どもたちに申し訳ない」という遺書らしきものを残して一家4人が無理心中をしたという事件があった。

34歳の夫婦と5歳の長男、2歳の長女だ。
夫婦が心中したいのならすれば良い。なぜ子どもを巻き込むのか。道連れにするのか。
「このままだと子どもが不憫だから」ということを書き遺す者がいる。
そんなことは決してない。
自らの意志に拠らず他人、それも実の親に命を奪われる以上に不憫なことがあろうか。

生きていれば、辛いことも多いだろうが良いことだって必ずある。
ドラマで親族をたらいまわしにとか施設に預けられいじめられた思いをなどと「辛さ」ばかりを強調することがあるが、これは止めるべきではないだろうかとも思う。

この家族も、家賃２カ月分を滞納し、複数の消費者金融から事業資金などで数百万円の借金をしていたらしい。
夫には電気工事業との肩書が付されていたので、きっと一人親方として独立をしていたのかも知れない。
夢を持って独立したであろうに、夢破れてと言うことだったのだろうか。

しかし、何があっても子どもの命を奪う権利は毛頭ない。
せめて、子どもたちの今後を託してから自分たちだけで旅立ってほしかった。
ただ、妻は妊娠していたとの話しもあり、なおさらやりきれない思いでいっぱいだ。
これでどうして「子育て支援国家」などと大見栄が切れようか。

子どもを道連れにした心中は、究極の児童虐待です。
許せるものではありません。

コメント 4

まさに、親のエゴです。
親が破産宣告をしたり、自殺するのはつらいでしょうが、それも経験にすればいいですよね。
信じられないです。
by こう (2007-07-24 08:49) 

>夫婦が心中したいのならすれば良い。なぜ子どもを巻き込むのか。道連れにするのか。
「このままだと子どもが不憫だから」

全く同感です。常々、思っていたことですが、自殺するときに子どもを道連れにする理由として、必ずといっていいほどこの「このままだと子どもが不憫だから」と言います。
「親はなくても子は育つ」のですから、なぜ殺すのかわかりません。
あんた、そこまで追い込まれたことがないからそんなことが言えるんだ、といわれるかもしれませんが、それでも絶対、反対です。それとも、私の想像を超えた自殺願望者特有の心理があるのでしょうか？もし、そうであってもそれでも絶対、反対です。勝手な想像ですが「親のエゴ」あるいは「子離れできない親の弱さ」が、「このままだと子どもが不憫だから」と、まるでそれが「愛情」だと勘違いしているような気がしてならないのです。
それにしても、毎回の南雲様の主張、とても明快で、我が意を得たりと思って読ませていただいております。今後ともズケズケ書いてくださいね。楽しみにしています。
by toyo (2007-07-24 08:59) 

こうちゃん、コメントありがとう。
成人が自らの考えに基づいて自殺するのは百歩譲って仕方無いとしても、他人を道連れというのは許す訳には行きません。
生きたいと思っても生きられずに死んでゆく人たちが沢山いるのですから。
ここ数ヶ月でかなりの無理心中が増えているのは、困りものです。
by 南雲しのぶ (2007-07-24 13:01) 

toyoさん、コメントありがとう。
私は、「心中」という言葉自体が嫌いです。
なぜ「殺人」と書かないのでしょうか。それに、警察が被疑者死亡で送検しないのかすらわかりません。
成人がそれぞれの意志に基づいて自殺する分には「やむを得ない」と思うとしても、他人に自分の命を左右されるなど例え親子であっても許されるものではありません。
社会が「心中は認めない、許さない」というアピールをしなければならないのですがなかなか上手く伝わりません。
私の記事は尖り過ぎていて、人を傷つけてしまうことがあります。自重しなければと思いつつ書いているんですよ。これでも。
by 南雲しのぶ (2007-07-24 13:09)