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司法の判断に信頼を [山口県光市母子殺害事件考]

こんなことが許されるのか


引継ぎは迅速に



太古の昔に起きた「グリコ・森永事件」でキツネ目の男として警察にマークされた経験のあるタレント宮崎学氏のブログで山口県光市母子殺害事件の安田弁護士裁判すっぽかし事件を擁護する記事が掲載されている。

(前略)安田弁護士達は以下の主旨で弁論期日の6月への延期申請をしていた。
・ 当日は日弁連が開催する裁判員制度の模擬裁判リハーサルへの出席予定がある。
・先月、被告と接見したところ事件について新たな申立があった。
・今月、前弁護人から引継ぎをしたばかりであり、記録を精査する必要がある。被告人からも更に事情聴取して事実究明する必要がある。 そのための期間として3ヶ月は必要。
・弁護人は、裁判を長引かせる意図は全くない。裁判を誤りないものにするためには、被告からの聴取、記録の精査が不可欠。
 この申請は今月7日付けで出され、翌日却下されている。そして昨日の事態に至ったわけであるが、裁判所の「正当な理由のない欠席」 とは一体なんや?「正当な理由」は出しとるやないか。日弁連の会合、聴取や記録の精査をしたい、 今月から弁護人となったばかりで時間が足りないというのはどう考えてもどれも真っ当な理由である。
(後略)

宮崎氏のことは、警察に楯突く気骨ある人物であるとこの記事を読むまで思っていた。
しかし、この記事は一体なんだろうか。安田弁護士のすっぽかしをメディアが作り出した喧噪に過ぎないかごとくの語りよう。
このどこに正当性を導きだそうとしているのか理解に苦しむ。

まして1つ目の日弁連主催事業の「リハーサル」まで正当という氏の見識には驚き入ったりである。自らの弁護する被告の人権よりも自らの所属する催し物のリハーサルの方が大切と言っているのだ。氏は自分の弁護士がそんなことですっぽかしたら当然解任するのではないのか?この口頭弁論で無罪が確定するという場合でも「良いよ良いよ。俺の裁判が伸びて判決が遅れて拘置所に長く拘置されてても別に構わないよ」というのだろうか。

また2つ目など、これまでの裁判を蔑ろにしかねない恐ろしい理由だ。もし本当に新たな申し立てするような事項があるのであればなぜ被告側から上告しなかったのか。
要するに被告が1、2審の際には虚偽の証言をしていた、と言うことではないか。それを見抜けなかった弁護士、裁判所の落ち度ということなのか。
こんなことでは被告が黙っていれば得をするという司法の信頼性を揺るがすものだ。

3つ目、4つ目も正当性があるかのように見えるが、彼らは私撰弁護人であり解任された2名に追加して加わることも可能なのだ。その方が引き継ぎも容易であろうし、日弁連の事業にでてる暇があるなら引き継ぎしろよ、って思うが氏は何も語っていない。

それと、正当な理由であるか否かは裁判所が決めるものであって、氏が決めるものではない。自分の意思に沿わないからと言って裁判所の決めた日程をすっぽかした弁護士を擁護するとは、結局、権力側の言うこと全てに反対という日共と同じ「何でも反対」論者にしかみえず薄っぺらく感じられる。
裁判所が決めたものが正当としなければ秩序が保てない。これまでの判決自体の信頼性を揺るがすことになる。裁判で決まった事が社会的には正当なのだ。それでほくそ笑んでいる奴もいれば泣かされた人だっているのだから。

また、安田弁護士のすっぽかしのおかげで真実の解明に時間がかかることとなってしまった。
まして、この被告に対しても刑が確定しないという期間を延長されたという人権侵害である。この日に弁論が開かれ一刻も早く判決が確定することを望んで弁護士を変更したにも関わらず弁護士の我がままでそれが長引いたのだ。
まさか、被告が引き継ぎ能力がなく弁論の日程が延長すると知っていたら変更したのだろうか。まさか、真摯に反省している被告が先延ばしを図ったとは思えない。期日に開かれるはずと思い変更した期待を踏みにじったのだ。
最高裁の弁論はこれまで一回で結審したからといってすっぽかすという恐ろしい法廷戦術をつかう者が人権派とはとても思えない。
自らの主張を司法の場でキチンと述べ、二回目、三回目の弁論が行えるように尽くすのが筋ではないのか。

最初、この記事を氏のサイトにリンクさせようと思ったのだが安易に繋ぐことは危険と思い避けることとした。
元ネタを知りたい時にはご自分で「宮崎学」とサーチしてください。

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コメント 2

Lucy

お邪魔致します。安田弁護士達の行為、私も本当に頭にきました。そして、彼らが会見で新たに提示した恐ろしい程陳腐な主張にも。思わず「正気か?」と呟いてしまいました。「口をふさいだらそのはずみで首に手がいって死んでしまった」「赤ちゃんを静かにさせるために首に紐を蝶々結びにした」…などなど。あげくに「強姦」も殺したあとに陵辱したのだから「死体損壊」である、などという始末。何を指して「人権派弁護士」でしょうか?その「人権」の中に被害者や遺族の「人権」は存在するのでしょうか?何の罪もない女性を殺害し、その遺体を犯し、母親に縋り付いて泣く11ヶ月の赤ちゃんを床に叩きつけ、紐で絞め殺す、なんて行為が、果たして更正余地のある「人間」が出来たのでしょうか?「人」と呼べるのでしょうか?今朝(19日)の「朝ズバッ!」で「可哀相なのは妻と娘で私ではありません。2人は今天国にいて彼(加害者)が2人に謝ることは出来ない。だから死刑になってあの世で2人に謝ってほしい。」と語った本村さんの言葉に悲しくて少し泣いてしまいました。犯罪抑止の意味でも、最高裁の厳正な判断を望みます。
by Lucy (2006-04-19 16:37) 

南雲しのぶ

Lucyさん、コメントありがとう。
安田弁護士を持ってしてももうどうしようもないじょうきょうなのでしょうね。もともと一審時点から死刑で行けたのに裁判官が少年法と人権団体にビビっただですから。
ただ、安田弁護士の経歴を見ると大きな事件では仕事を完遂させたことって少ないですよね。オウムも途中で逃げていますし。今回は負け戦。
何でも目立ちたいだけなのでしょう。
by 南雲しのぶ (2006-04-20 06:29) 

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