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もう一歩踏み込んで [山口県光市母子殺害事件考]

やっと結審した光市母子殺害事件



先日、山口県光市母子殺害事件について取り上げた(上記参照)。
書いていて思ったのだが、この死刑になろうとしている殺人鬼について、どこのメディアも「25歳の元工員」としか伝えていない。
確かに犯行時には未成年(18歳)だった。しかし、犯行を認め無期懲役刑の判決に控訴しなかった。彼にとって裁判は一審で終わっているのだ。そして無期懲役といえば相当重い罰になる。
少なからず、色々なご意見もあるだろうが現時点において本事件に対する正当な判決であって、量刑不当として控訴していない以上、これよりも減刑されることはない。
成人だったとしても無期懲役は「極悪人」といわれるような罰なのに、この元少年は未成年であったというだけで匿名になるのは矛盾している。

これは大変おかしなはなしではないだろうか。
少なくとも成人と同じ裁判を受けている。そして、本人も人を死に至らしめたことを認め、無期懲役を受け入れている。
ここまで重い罰の犯罪者の住所も氏名も公表しないことには納得ができない。
少年法のことは良くわかるが、それは更生できる少年に対してだろう。
しかし、彼は更生できない。それが今回の口頭弁論で十分に分かった。

もし、どうだろう。今回最高裁で死刑判決が出たり高裁差し戻しになったら実名を公表できないだろうか。
名実共に更生できない立場になるのだから、残すは社会的制裁だ。
それと、できうることなら差し戻しではなく最高裁の自判にしてもらいたい。最高裁が判断をして「死刑」と決めることに意義があるのだから。

なぜ、このようなことにこだわるかと言えば、本村氏が殺人鬼の保護者である父親に謝罪を求めに行った際、罵倒された上に賠償すらされていない。この子にしてこの親なのだ。
このような父親には社会的制裁をしなければならないのではないかと思うからだ。もちろん、暴力的な制裁を行うのではない。保護者であった者にキチンとこの犯罪の意味を理解させなければならないと考えるがどうだろうか。

殺人鬼は既に成人だ。更生もできないことが確定しようとしている。もう良いだろう公開しても。
同時に、本村氏にも発言を自重されることを望む。やはり「司法が殺さないなら、私が殺す」発言は彼の立場で公の場ですべきではなかったろう。
そして社会は司法判断を受け入れる度量を持って欲しい。

[追記]一部、語気に荒いところがあったので加除訂正をしました。

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コメント 10

wowm

TBありがとうございます。

まさに言語道断、極悪非情な展開です。
天誅をくださねば、収まりがつきません。
しでかしたことの大きさを、被告はど真剣に認識する必要がありますね。
弁護するより、指導することが必要です。
・・・ま、効果ないと思うけど・・・。
by wowm (2006-04-21 09:05) 

宙太郎

> 残すは社会的制裁だ。
暴力団同士の抗争で殺人を犯し、反省していないという場合と違い、今回の場合は何の罪もない母子殺害です。
反省せずに刑期が終って出所して、同じことを繰り返したら、誰が責任を取るのだろう。
また、罪を犯した本人が服役するのだからという理論はおかしいですね。
だったら、全く反省しない人がいたら自分の都合で生きている間に何人も殺せてしまいます。
人一人(極悪人)の命と複数の命、どちらが大切なのか。
人命は地球より重しと誰かが言ったですけど、そんなことないと思います。
やはり、犠牲の多い少ないで物事を決めても仕方がないと・・・
反省しない、再犯の可能性が大の人は最低でも出られないようにすべきと思います。
by 宙太郎 (2006-04-21 15:13) 

femto

彼(本村氏)は「婦女暴行を目的ではなく、強姦目的だ」と強い口調で言ってますね。言葉を真綿で包んではいけないとあたしも思う。
弁護士は死んでからのレイプは死体損壊の罪にしかならないと言いましたが。自分の娘や奥さんが殺されて強姦されたら・・・そう言えるのでしょうか?
亡くなった人の家族まで氏名が公開されるなら・・・犯人を育てた親の氏名も公表していいような気がします。
どこまでも 被害者は辛い・・・のが悲しい。
by femto (2006-04-21 16:52) 

南雲しのぶ

wowmさん、コメントありがとう。
今回の事件は少年法という特殊な法律によって守られた者が、その権利を最大限に生かそうとしたことから複雑化していますが、本当は単純な強姦殺人なわけです。それも二人の命を奪っている。
成人の事犯なら当然の判決を躊躇せざるを得ないのは過度な人権意識から来るものなのでしょうね。
by 南雲しのぶ (2006-04-21 20:12) 

南雲しのぶ

宙太郎さん、コメントありがとう。
「法律は最低限の道徳」なはずなのに、人権派はそれが最高であるかのような振る舞い。
「冤罪」という言葉に恐れて真実が霞んでしまっては決していけません。なぜ最高裁、それも検察の上告審である場所で、これまでの公判を否定するような発言をするのかを良く考えてみるべきでしょう。
やはり死刑回避だけに絞っているとしか言いようがありませんよね。
by 南雲しのぶ (2006-04-21 20:19) 

南雲しのぶ

makoさん、コメントありがとう。
そうなんですよ。被害者の人権や個人情報はドンドン流出するのに、なぜ少年だと保護されるのでしょうか。
こういう風潮が結局過度の情報保護になる遠因だと思うのです。犯罪情報は少なくとも社会一般に知らせなければならない事柄だと思います。それが少年であってもなくても。
知らせてはならない情報は流出するのに・・・。
by 南雲しのぶ (2006-04-21 20:22) 

夏炉利

山口母子殺害事件   

本村さんへ手紙をおくりたいのですが、どうすればいいでしょう・・・・?
by 夏炉利 (2006-04-23 11:56) 

南雲しのぶ

夏炉利さん、コメントありがとう。
本村洋氏も所属され本事件が社会的に認知されるきっかけを作った「全国犯罪被害者の会」へお問合せになられるか送信されてみてはいかがですか。
【メール】 asunokai@navs.jp
【私書箱】 〒100-8694  東京都中央郵便局私書箱1646号
夏炉利さんの手紙を出したいというお気持ちすばらしいと思います。本村氏もきっと返事をしてくれると思いますので、その時は拙ブログにもぜひコメントをお寄せください。
by 南雲しのぶ (2006-04-23 14:56) 

葉山晶一

本村さんはもとより、この事件から社会は、そして私たちは何を学ぶか?大きな課題を与えられた気がします。
本村さんの長い闘いがまた始まりましたね・・・
by 葉山晶一 (2006-06-21 03:05) 

南雲しのぶ

葉山晶一さん、コメントありがとう。
そこが一番大切ですね。
裁判は被告のためにあると言われますが、実際は社会のためにあるのだと思っています。
いまのままでは社会に何の影響も与えないものになってしまいそうなのが心配です。
もちろん、被害者救済や司法制度を世に知らしめたという評価はできますが。
by 南雲しのぶ (2006-06-21 05:28) 

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