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6月20日を最後の日にしたい [山口県光市母子殺害事件考]

これまで数回に渡って取り上げてきた山口県光市母子殺害事件の最高裁判決が6月20日に言い渡されることが決まった。

99年に起きた事件が7年を経て今終わろうとしている。
被告人が、一審判決後に語った「7年で出てこれる」といった年である。
判決を聞くまではわからないが、これで一つの区切りがつくことになる。

私は、死刑なのか無期なのか、そんなことが問題なのではない。
なぜ7年もかからねば最終判断ができないのか。
被害者側がこれだけ苦労しなければここまでこぎつけられなかったのか。
少年法とはいったい何のための法律なのか。
数々の悩みを私に与えてくれた。

そして、この問題を取り上げたことによって多くのことを学んだ。
被害者があまりに保護されていないこと。
メディアがすべて真実を伝えているわけではないこと。
少年法の壁の厚さ。
死刑という刑罰の是非。
自分が如何に小さな人間であまりに無知であったかを思い知らされた。

最後にきて被告側の足掻きが激しくなっている。
人権派弁護士とあいまって、思いもしない理論展開をしている。
このことからも判決を不服として再審請求をする可能性は非常に高いだろう。
何が真実で何が虚偽なのか。
被告本人すらわからないだろう。
裁判は真実を見出すものでもないのかも知れない。

7月といわれていた判決の日があと数日ということになった。
火曜日は休みだからじっくりニュースを聞くこととしよう。
それにしても長かった。

「何の落ち度もない女性と子どもを、身勝手な理由で殺したらどうなるのか。裁判所には、過去の量刑との均衡だけでなく、市民感覚に合う判断を示してほしい」
この言葉は非常に重い。
ただ、これで本村洋氏の心は晴れるのだろうか。
燃え尽きてしまわないか心配である。

天国からのラブレター

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  • 作者: 本村 洋, 本村 弥生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
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コメント 8

ハードロック芸人

法律は知らないので僕の気持ちでコメントします。

少年法は嫌い。
理由は、悪い事をしているのに、相当の罪でさばかれないからだ。
アメリカには確か小学生くらいの子供に大人と同じような刑罰を与える州があったと思う。

>ただ、これで本村洋氏の心は晴れるのだろうか。
>燃え尽きてしまわないか心配である。
俺なら、燃え尽きますよ。
望みは死刑とかでなくて、家族が戻ってくることなんでしょうから。
結果、出ても空しいのでは…。
by ハードロック芸人 (2006-06-18 03:06) 

南雲しのぶ

ハードロック芸人さん、コメントありがとう。
少年法というのは出来たころには正しかったというか意味のあるものだったと思うのです。
でも、まさか殺人、それも残虐な手段での事件が日常的に起きるだなんて予想していなかったのでしょうね。
必ずしも厳罰化が良いとは思えませんが、現状のままで良いとも思えません。
良い方向性を見いだすにはどうしたら良いのでしょうかね。

法律を知っている人がもっとわかりやすく法律のことを解説してくれるようになると良いのですが、敷居が高くて聞くのもビクビクです。
専門的な用語で突き詰められたらひとたまりもありませんから。

本当に虚しい事件でした。
でも、残虐な事件であっても表面化してこないことって意外と数多くあるんです。
先日も生きたままドラム缶で焼き殺したという事件を、裁判の記事として知りました。
こんな事件、発生時に取り上げられていたのか、って記憶にないんですよ。
by 南雲しのぶ (2006-06-18 06:22) 

kenji47

>このことからも判決を不服として再審請求をする可能性は非常に高いだろう。

まだご理解されてないようですが、
何故に再審請求が否定されるのかまったくわかりません。
死刑になればなったで再審請求されても、その理由がなければ、裁判所が却下し死刑執行されれば済むことです。
相変わらず再審請求すること自体を否定するようなご意見はいかがなものかと思います。
by kenji47 (2006-06-18 08:01) 

南雲しのぶ

kenji47さん、コメントありがとう。
毎回の繰り返しになりますが、当初から「再審請求をしてはならない」「再審請求という制度があること自体間違っている」などと言っていません。
そういう制度があるわけですから活用するならするで構わないのです。
ただ、するならばするで理解されるような方法、闇雲に請求していると思われないようにして欲しいと願っているだけです。
被告(この場合は被告といわないかもしれませんが)にとっては切実なことではあっても、それは社会に理解されて始めて結実すると思うのです。
現に狭山事件支援団体の機関紙では裁判長を呼び捨てにするなどのことが起きています(いつどこにそれが書いてあるか示せといわれても返せませんがね)。
いくら自らの主張と違うからといって相手方を呼び捨てにするというのはあまりに不見識と思いますがkenji47さんはそう思われませんか。
私は、そういうことが社会に受け入れられるとは思えません。
これらは常に繰り返してお応えしていると思いますが納得いただけませんか。

まして、今回は最終段階に来て被告側の証言が大きく変わったわけで再審請求が出されるだろうと考えるのが間違っていますか?

私はkenji47さんから学ばせていただいている部分が多いと思うからコメントを受け入れていますし誠意を持ってレスをつけているつもりです。
しかし、言っていないことを言っているように、思ってもいないことを思っているように、誘導するようなご発言についてはお止め下さるようお願いします。
私が、森を見過ぎて木を見れないのかも知れませんが、同じように木を見て森を見ずになっているように思います。
このレスとて揚げ足を取られるのではないかと非常に悩んで要らぬ説明ばかりつけて長長の文章になっていますよ。まさか、このようなことを望んでいらっしゃるわけではありますまいが。
by 南雲しのぶ (2006-06-18 08:28) 

N_Yasu

私自身、
最愛の家族をこういった形で奪われたら
本村氏のような気持ちで闘い続けられるかどうか
非常に不安です。

氏の気持ちは痛いほど分かります。
記者会見等で気丈に応対を続ける氏の姿勢を見る限り
ほんとうに正直者・真面目に生きてきたものが
バカを見る世の中であってはならない。
そういった気持ちで一杯になります。

裁判員制度の導入で
今までよりも市民感情に近い形で
判決が出されるようになることを切に願っております。
by N_Yasu (2006-06-18 09:11) 

kenji47

なおちん さん

>今までよりも市民感情に近い形で

「市民感情」という言葉が気になります。
まるで「こいつは酷い奴だから死刑にしたほうがよい」
というように感情で裁くというような意味に取れるからです。
「市民感覚」ならばまだ理解できますが。

裁判員制度も職業裁判官と同じように、
公判に提出された証拠を基に「事実」は何かということを追及するわけです。
そこに「感情」が介在する可能性を否定はできませんが、そういった感情はなるべく抑えて公平・客観的に事実を探し求める作業が求められると思います。
「こいつは酷い奴だから死刑」
ではなく、
「ご主人が悲痛な叫びをあげているから死刑」
とすべきでもありません。

同種事件との量刑の公平性や、被告人の反省の態様などを見て冷静に判断すべきものだと思われます。
by kenji47 (2006-06-18 16:40) 

南雲しのぶ

なおちんさん、コメントありがとう。
私は独り者なので直接的ではありませんが、父や母が同じ目にあったなら気が狂ってしまうかも知れません。
そこから冷静な判断ができるかどうかは自信がありません。
もちろん暴力を使うなどとてもできませんし、しませんが相手に対して平静でいられるだろうかとは思います。
裁判とはなかなか難しいもののようです。
普通に犯罪に関係無く暮らしている人間からすると何でこうなるの、ってことも多々あるみたいですし。
いずれにしてもあと数日で結論が出ます。
by 南雲しのぶ (2006-06-18 19:15) 

南雲しのぶ

kenji47さん、コメントありがとう。
私のブログでは横レスについては、否定的なコメントは避けていただいています。
それは、コメント主は私に対してコメント(話し)をしているわけです。
そこには私とコメント主の二人だから分かり合えるというものもあるわけです。見えるものだけでないものが。
そんな中で横レスをするとお互いにあらぬ誤解を生じることにもつながりかねません。
そういうことは避けたいと思っています。運営上のローカルルールと受け取ってください。

それに申し添えれば、なおちんさんはkenji47さんが仰るような気持ちで書いているのではないと思いますよ。
法は法、市井の話は話とキチンとわけていらっしゃるはずです。

裁判員制度については幾度もご指摘していただいているように、多くの人が理解していないように思います。
kenji47さんのブログでも以前取り上げられていたかと思いますが、再度特集として取り上げてみられてはいかがでしょうか。
司法を学んだ方が積極的に話をしていただければ理解も進むと思いますが如何ですか?
by 南雲しのぶ (2006-06-18 19:32) 

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